Cycle Peugeot Museum

Cycle Follis and Beborex brake

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町の喧騒から外れた、ある閑静な住宅街の一角に小さなミュージアムがある。外から見た限りは通常の民家と変わりないので、よほど注意していない限りそれと気付かず、通り過ぎてしまうに違いない。 頑丈に作られた鉄製の門扉を開けて足を踏み入れても、右手にある雑貨が並んだ小さな小部屋が目に付くだけで、依然としてそこがどのような目的をもった場所なのか判らない。 古びた小屋の軒伝いに伸びる狭い通路を進むと、程なく小じんまりとした古い木造の倉庫に辿り着く。中は時の流れが恐ろしく緩慢になった空間特有の雰囲気が漂っている。 そこは闇と静寂の溜まり場であり、天井近くの壁に穿たれた明り取り用の高窓から差し込む陽光が、階下にひっそりと佇む無機物たちの色彩をうっすらと発色させている。 The Bicycle House 、それがこの空間に与えられた名前である。

 
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